工具交換 ( 後編 ) 前回
( その11 ) からの続きです。
Output parameter Output parameterでは工具交換時に工具交換命令
( STL1ST )
と一緒に出力されるNCコード群をミニオイクリッド言語を使って
設定します。
Output parameterのボタンを押すとプログラム入力画面が現れます。
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( 画像をクリックすると拡大図を表示 ) |
右側のOutput
parameter部分がプログラム入力画面です。
それでは内容を見てみましょう。
PRINT(PCS, "1ST CHANGE TOOL
",TDMP, TDTYP, TDDIA/2, TDRV, TDLEN, PCE);
WRITE(TMACT); |
ここではPRINT文とWRITE文の2つが記述されています。
PRINT文とWRITE文はいずれも括弧の中身をNCデータ中に出力する命令です。
違いは、PRINT文は1命令毎に改行されるのに対して、WRITE文は改行されずに1行に続けて出力されます。
まずはPRINT文の出力内容を見てみましょう。
PRINT文の括弧の中身は、
PCS
"1ST CHANGE TOOL "
TDMP
TDTYP
TDDIA/2
TDRV
TDLEN
PCE
の8個が、コンマで区切られて並んでいます。
パラメーター一覧表に照らし合わせて各パラメータを見てみると、工具に関する情報を表したパラメータである事がわかります。
よって、このPRINT文では工具の情報をNCデータ中に書き込みしていることになります。
ところで、パラメーター一覧表に載っていない最初と最後のPCSとPCEは何のパラメーターなのでしょう?
PCSとPCEは、コメントの開始と終了の各記号を出力するためのパラメータです。
CNC-Setupの Special
Control character で設定した文字がPCSとPCEによって出力されます。
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(画像をクリックすると拡大図を表示) |
PCSは左小括弧、PCEは右小括弧が出力されるようになっていますので、このPRINT文では以下のようにNCデータに出力されます。
【例】 使用工具が、ブルノーズエンドミル 半径=10、スミR=1、工具長=50mm、工具番号=1の場合
(1ST CHANGE
TOOL NO=1 TP=12 RR=10.00 RV=1.00 L=50.00)
次はWRITE文です。
出力するパラメータはTMACTとなっています。パラメーター一覧表で見てみると「現在の工具番号」となっており、
ここでは T1
というように使用する工具の番号が出力されます。
【出力例】
(1ST CHANGE TOOLNO=1 TP=2 RR=10.00 RV=1.00 L=50.00)
T1M06
G00X17.571Y103.S1000M03
WRITE(TMACT); によって T1M06 というようにT番号が同じ行に出力されます。
次回からは、NCデータの出力例からの実際の設定方法について紹介をしていきます。
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その12 ... 終わり
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