工具交換 ( 前編 ) 工具交換について見ていきましょう。
CLT データには工具情報が含まれています。CLT
データの中で工具が変わると JDGMILL では工具交換に関する処理が行われます。
それでは設定箇所を見てみましょう。
「CNC Commands」→「Tool change」を選択してください。
Tool change を選択すると画面は下図のようになります。
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(画像をクリックすると拡大図を表示) |
Tool change の画面を開くといろいろとたくさんの設定項目が現れてきますが、今回は最低限必要な部分だけを見ていくことに
しましょう。
Mode of Tool change
ここでは工具交換の命令をNCデータ中に出すか出さないかを指示します。
No Tool change |
・・・・・・ |
工具交換を行なわない
以降の設定はすべて無効となり、
NCデータ中に工具交換に関する
命令は出力されなくなります。 |
Tool change T-Address = Magazine position |
・・・・・・ |
工具交換あり
T番号をマガジン番号で出力します。 |
Tool change T-Address = Ident number |
・・・・・・ |
工具交換あり
T番号を工具番号で出力します。 |
マガジン番号と工具番号の違い
マガジン番号とは NC
機械の工具が収められたマガジンポッドの番号の事を意味します。
工具番号とは工具に対して付けられた番号の事で、一般的に工具番号
( T番号 ) というとこちらの方を言います。
オイクリッドの加工定義の中の工具登録ではそれぞれを指示する部分があります。
Maximum Tool number (T..) NC
機械に取り付けることができる工具の最大本数を指示します。
ここで設定した値よりも大きな工具番号がCLT
データ中から検出された場合には変換時に警告メッセージが表示されます。
1st Tool change / Normal Tool change / Last Tool change
工具交換のためのNCデータに出力される内容を定義します。
工具交換には、
1st Tool change ( 1本目 )
Normal Tool change ( 2本目以降 )
Last Tool change ( 最後の工具 )
の3種類の状況があり、それぞれの状況別に設定をします。 (例)4種類の工具を用意し、1本目では荒加工
( Mrough2 ) 、2本目では中仕上げ加工 ( Mfinish3-COPY ) 、3本目では
等高線仕上げ加工 ( Mfinish3PL2D ) 、4本目では残部加工
( Mfinish3REST ) を行なった場合のNCデータの出力イメージ
最初の工具交換
( 1本目 ) |
1st Tool change
の内容に従って工具交換に関する命令が出力されます。 |
荒加工
(Mrough2) |
2回目の工具交換
( 2本目 ) |
Normal Tool change
の内容に従って工具交換に関する命令が出力されます。 |
中仕上げ加工
( Mfinish3-COPY ) |
3回目の工具交換
( 3本目 ) |
Normal Tool change
の内容に従って工具交換に関する命令が出力されます。 |
等高線仕上げ加工
( Mfinish3PL2D ) |
最後の工具交換
( 4本目 ) |
Last Tool change
の内容に従って工具交換に関する命令が出力されます。 |
残部加工
( Mfinish3REST ) |
3種類の状況を設定するようになっているのは、次のような場合にも対応できるようにするためです。
[想定] |
- 最初の工具は主軸にセット後、位置決めをして加工を開始する。
- 2本目以降は工具を工具交換位置に待避させてから工具交換をし、その後、位置決めをして加工を開始する。
- 最後の工具は工具を工具交換位置に待避させてから工具交換をし、その後、位置決めをして加工を開始する。
更に加工終了後に工具を収納できるように空のマガジンポットを準備しておく。
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このような条件で工具交換をさせるにはそれぞれの状況に合わせた設定をしなければなりません。
JDGMILL
ではあらかじめ3種類の条件が用意されていますので、それぞれの部分に設定を書き込むだけで上記のような
場合でも実現できます。
もしすべての工具の工具交換の方法が同じ場合には、3種類の状況のそれぞれに全く同じ設定を書き込めばOKです。
1st Tool change / Normal Tool change / Last Tool change
の設定方法については次回から順に見て行くことにしましょう。
JDGMILL講座
その10 ... 終わり
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